EU2026/27年産大麦収穫量、スペインが地域的不足を主導する中で2025年の記録から470万トン減少の見通し
欧州委員会が2026年6月25日に公表した穀物市場状況報告書は、EU27の2026/27年産大麦生産量を5,220万メートルトンと予測し、前年の記録から470万トンの減少を見込んだ。スペインが約240万トンという最大の個別不足に直面し、フランス、ドイツが続く。EU全体で面積・収量ともに前年を下回る見通し
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まとめ
欧州委員会農業市場専門家グループは、2026年6月25日の穀物状況報告書でEU27の2026/27年産大麦生産量を5,220万メートルトンと予測し、2025/26年の記録から470万トンの減少を見込んだ。面積・収量ともに前年を下回る見通しで、純粋に気象起因の事象というより構造的な縮小を示唆している。スペインは最大の個別不足に直面しており、カスティーリャとアラゴンの作付面積縮小と春の平均を下回る乾燥条件を背景に、前年比で約240万トン減となっている。フランスとドイツが次いでEU全体の減少の主要因となっている。デンマークやスウェーデンを含む北欧での春大麦の播種は4月末まで続いており、北部の収量は依然不確実な状況だ。EU内の麦芽大麦需要も、ビール消費パターンの変化やトウモロコシなど副原料の競合により軟化しており、麦芽大麦作付面積を支えてきたプレミアム誘因が低下している。
見解の分岐
EU穀物貿易業界団体は2026/27年の不足を2025年の例外的な豊作後の反動修正と位置付け、5,220万トンは5年平均を上回ると指摘した。スペインの農業当局者はカスティーリャ高原の水資源問題という構造的要因を強調し、2026年の減少を単年の異常値ではなくEUの長期的な潜漑水インフラへの共同投資の必要性として訴えた。ドイツとフランスの麦芽大麦生産者は、生産減と需要低迷が重なって麦芽用プレミアムが飼料用との価格差を圧縮しており、一部の専門農家では2026年産は採算が合わないと指摘した。中東やアジアの世界的な大麦輸入国は、調達管理の観点からオーストラリアの輸出記録とともにEUの動向を注視している。
数字で見る
- 5,220万メートルトン:EU27の2026/27年産大麦予測(欧州委員会、6月25日)
- 470万メートルトン:2025/26年の記録からの減少幅
- 約240万メートルトン:スペインの前年比推定不足量(EU最大)
- フランスとドイツ:EU全体の減少の第2・第3位の寄与国
- 面積・収量ともに前年比低下(気象起因にとどまらない構造的縮小)
- 2026年6月25日:欧州委員会穀物市場状況報告書の日付
重要な理由
EUは季節によって世界第2位または第3位の大麦生産国であり、記録年からの470万トンの減少は、オーストラリアの輸出が中国需要の不釣り合いに大きな割合を吸収している局面で世界の大麦市場を引き締めるのに十分だ。世界の麦芽・飼料大麦市場にとって、EUの生産不足とオーストラリアがほぼ満杯状態で中国に出荷している状況が重なれば、2026年下半期にどちらの主要生産地でも干ばつや病害が発生した場合の緩衝余地はほとんどない。スペインの構造的な水資源不足はまた、温暖化の進行に伴い加速する可能性のある、EU穀物生産地理の中期的な南方シフトを示唆している。
注目すべき点
- スペイン、フランス、ドイツにおける7月から8月の収穫結果と6月の予測との比較。
- 北欧の春大麦収量が南欧地中海沿岸の落ち込みを補えるかどうか。
- 世界の大麦貿易バランスの調整、特に中東・北アフリカにおけるEUからオーストラリアやカナダへの調達シフト。
- 麦芽大麦プレミアムが2027年に北欧での面積拡大を促すほどに回復するかどうか。