USDA 2026年6月棉花見通し、世界生産5.5%減と2018/19年以来の最タイト在庫を予測
2026/27年度の世界綿花生産量は1億1,600万俵と予測。オーストラリア、米国、インドの減産を中国、ブラジル、パキスタンが一部相殺。紡績量は6年ぶりの高水準
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まとめ
USDA農業研究サービスが公表した2026年6月の綿花・羊毛見通しは、2026/27年度マーケティングイヤーの世界綿花生産量を1億1,600万俵と予測した。2025/26年度の1億2,190万俵(2012/13年度以来最高)から約5.5%減という数字だ。減少の主因はオーストラリア、米国、インドの落ち込みで、中国、ブラジル、パキスタンの増産が一部を相殺するにとどまった。世界の綿花期末在庫は7,110万俵、前年比7%減で2018/19年度以来最低の水準だ。この供給逼迫に対して、南アジアと東南アジアの繊維製造業の需要増に支えられ、世界の綿花紡績量は約1.5%増の1億2,170万から1億2,180万俵と6年ぶり最高が予測されている。ブラジルの2026/27年度輸出は過去最高の1,500万俵が見込まれ、世界貿易の約34.5%を占める。米国の季節平均農家受取価格予測は1ポンド73セント。世界の綿花価格は2025/26年度の推定80セントから90セント近くへの反発が予測されるが、米国先物は5月11日の87.77セントのピークから60セント台半ばに滑っていた。
見方の差異
米国の綿花業界メディアとテキサスA&M綿花マーケティングプランナーは、5月の急騰と反落後に不透明な先物価格と高い投入コストに直面する米国農家の計画ジレンマに焦点を当てた。ブラジルの農業ビジネスメディアは同国の過去最高輸出見通しを、2年連続で米国を抜く世界原綿貿易支配の証拠として報じた。インド、バングラデシュ、パキスタンの南アジア繊維産業プレスは紡績量見通しを注視し、パキスタンのメーカーは国内生産の増加と旺盛な世界需要の組み合わせが利幅を改善すると指摘した。西アフリカの綿花生産国、ブルキナファソ、マリ、コートジボワールのメディアはUSDA基準価格を参照して設定される輸出綿花価格と小規模農家の収入との関係を報じた。
数字で見る
- 1億1,600万俵、2026/27年度世界綿花生産量予測(USDA 2026年6月)
- 約5.5%、2025/26年度(1億2,190万俵)からの減少率
- 7,110万俵、2026/27年度世界期末在庫(2018/19年度以来最低、前年比7%減)
- 1億2,180万俵、2026/27年度世界紡績量(6年ぶり最高)
- 1,330万俵、米国2026/27年度生産量(4%減)
- 1,500万俵、ブラジル2026/27年度輸出予測(過去最高、世界貿易の34.5%)
- 1ポンド73セント、米国2026/27年度季節平均農家受取価格予測
- 1ポンド約90セント、2026/27年度世界価格反発予測
- 87.77セント、2026年5月11日に達した米国先物の約2年ぶり高値
なぜ重要か
綿花は世界で推計1億世帯の小規模農家が栽培し、その大半は南アジア、サハラ以南アフリカ、中央アジアに集中しており、西アフリカと中央アジアの低所得国にとって重要な輸出収入源だ。USDの2026年6月予測は2026/27年産地サイクルで最初の主要な包括的市場シグナルであり、世界の価格形成と作付け決定の基準点となる。予想より逼迫した在庫と予測より高い紡績量見通しの組み合わせは、投入コストを管理できる生産者に価格押し上げの環境を作るが、予測価格(90セント)と現在の先物(60セント台半ば)の差は、繊維輸入国の需要回復とマクロ経済状況に対する市場の不確実性を映している。
今後の注目点
- 米国先物価格がUSDA価格予測に向けて回復するか、需要懸念でさらに下落するか
- ブラジルの輸出量がアジア市場で米国・オーストラリア綿をどの程度押しのけるか
- 世界在庫の逼迫が西アフリカの小規模農家の農場価格上昇に実際につながるか
- 北半球の作柄状況が明確になる中でのUSDの8月WASDE改定