概要
2026年6月11日から12日にかけて、ポーランドのKarol Nawrocki大統領は2025年8月6日の就任以来37件の拒否権を発動し、アレクサンデル・クファシニェフスキが10年をかけて積み上げた記録35件を超え、アンジェイ・ドゥダの2期分19件を大きく上回った。対象はEU防衛融資、司法改革、暗号資産規制、HIV治療法案、飲料税と多岐にわたり、平均すると約8.4日に1件のペースだ。民族主義的な大統領とDonald Tuskの親EU連立政権との共存は公然たる対立に傾き、トゥスクは以前にナヴロツキを国家裁判所に付することを示唆していた。連立はセイム(下院)460議席中242議席を確保しているが、拒否権を覆すために必要な5分の3には届かず、ナヴロツキ、2026年予算に署名するも憲法裁判所へ付託と同様の膠着が2027年の次回選挙まで続く見通しだ。
数字で見る
- 37件、約10か月での拒否権発動数(約8.4日に1件)。
- 35件/19件、比較のためのクファシニェフスキ(10年)とドゥダ(2期)の実績。
- 460議席中242議席、連立政権のセイム議席数、拒否権覆しの閾値以下。
- 2027年、次回予定選挙。
なぜ重要か
議会過半数を持たない大統領が拒否権を使って、EU資金による防衛措置を含む与党連立政権の政策を丸ごと凍結している。これはポーランド史上かつてない事態だ。拒否権を覆す道がなく、ポーランドの国内政策は次回選挙まで事実上行き詰まっている。
注目点
- トゥスクが国家裁判所への付託の脅しを実行するかどうか。
- 政府が拒否権を受けた法律を迂回しようとするかどうか。
- 拒否権の件数が2027年の選挙戦略に与える影響。