2026年3月WHO第44回IHR緊急委員会がポリオPHEIC継続を確認、アフガニスタンとパキスタンで野生株ポリオウイルスが持続
2026年3月4日に開催されたWHO第44回IHR緊急委員会がポリオを国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態として継続確認した。2026年の野生株ポリオウイルス症例は6件、チャド湖盆地とアフリカの角ではcVDPV2が循環しており、英国でも環境検出が確認された
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概要
WHO第44回IHR緊急委員会ポリオウイルス会議が2026年3月4日に開催され、Polioが2014年から継続して指定されている国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態(PHEIC)であるとの認定を延長した。2026年初頭の時点で、野生型ポリオウイルス1型(WPV1)の症例が6件確認されていた。アフガニスタンで2件(クナール州とヘルマンド州、発症日はそれぞれ4月14日と5月7日)、パキスタンで4件であり、いずれもアフガニスタンとパキスタンにまたがる風土病的貯蔵庫での継続的な循環と遺伝的に関連している。ワクチン由来ポリオウイルス2型(cVDPV2)はチャド湖盆地(ナイジェリア、ニジェール、チャド)とアフリカの角(ソマリア、エチオピア)で引き続き循環しており、より広い地域での環境検出も追加で確認されている。2026年1月28日前後に英国で定期的な下水サーベイランスを通じてcVDPV2の新たな環境検出が確認されたが、麻痺症例との関連は認められなかった。委員会は30カ国が感染リスクの高い状態にあることを指摘した。野生型ポリオウイルスはアフガニスタンとパキスタン以外のすべての国で根絶された。完全な根絶には両国でのWPV1感染の終息が必要であり、これが約10年にわたるプログラムの目標となっている。
見解の分かれ目
WHOとGPEIは2026年3月の評価を、持続的な進展(2026年の世界のWPV1症例が現時点で一桁台)と、アフガニスタンとパキスタンの回廊に集中した持続的な危険とが組み合わさった状況の証拠として位置付けた。ワクチン接種者のアクセスは安全上の制約と特定のコミュニティでのワクチン忌避によって制限されている。パキスタンとアフガニスタンの公衆衛生当局は、タリバン時代にワクチン接種キャンペーンへのアクセスが制限されていることを主たる制約要因として挙げた。英国の公衆衛生当局(UKHSA)は標準的なプロトコル(集中的な監視強化とワクチン接種サービスへの通知)でcVDPV2の環境検出に対応し、過去の英国での環境検出では麻痺症例が続発しなかったことを指摘した。
数字で見る
- 6、2026年に世界で確認されたWPV1症例数(2026年中盤時点)
- 2、アフガニスタンのWPV1症例数(クナール州、ヘルマンド州、2026年4月と5月)
- 4、2026年のパキスタンのWPV1症例数
- 約30、ポリオウイルス感染の高リスク状態にある国の数(IHR緊急委員会、2026年3月)
- 2026年1月28日、英国でのcVDPV2環境検出(麻痺症例との関連なし)
- 第44回会議、ポリオウイルスPHEIC指定IHR緊急委員会、2026年3月4日
- 2014年、ポリオウイルスPHEIC指定が始まった年(それ以来継続)
なぜ重要か
[[Polio]]は、国際社会が世界根絶を正式にコミットしている2つの感染症のうちの1つであり(もう1つは1980年に根絶された天然痘)。アフガニスタンとパキスタンで30年以上の根絶プログラム後もWPV1が持続していることは、根絶の「ラストマイル」課題を定義するアクセス制約、政治的不安定性、ワクチン忌避の相互作用を反映している。cVDPV2の問題は二次的な複雑化要因だ。経口ポリオウイルスワクチンの広範な使用が免疫をもたらした一方で、免疫不足の集団で神経毒性に復帰して伝播する可能性のある生弱毒化ウイルスも導入した。欧州でのcVDPV2の環境検出は、ポリオを国内の懸念事項としてほぼ忘れていた高所得国におけるワクチン接種カバレッジの隙間を示すサーベイランス指標となっている。
注目点
- 2026年のパキスタンとアフガニスタンのWPV1症例数が前年を上回るか、それとも低下傾向を続けるか。
- アフガニスタンでのGPEIワクチン接種キャンペーンに対するタリバンの関与(または非関与)。これまでの段階でアクセスが部分的に回復したことがある。
- 英国のcVDPV2環境検出が感染連鎖の特定につながるかどうか。
- GPEIの2026年7月の根絶スケジュールに関する戦略的レビュー。