ホルムズ海峡の再開で原油が戦時ピークから約20%下落
米イラン間の覚書でブレントは77ドルへ向かい、アラムコは7月のアジア向け価格を引き下げ。一方で戦争は東西パイプライン経由の迂回でリヤドに利益をもたらした
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概要
米イラン間の覚書がホルムズ海峡を再開させ、原油は2026年の戦時ピークから約20%下落した。6月17日の署名後、ブレントは1バレル約77ドルへと3カ月ぶりの安値まで下がり、延期された協議や再攻撃の脅しをめぐって大きく揺れた。続いてサウジアラムコは7月のアジア向けアラブライト価格をオマーン/ドバイ比プラス9.50ドルへと6ドル引き下げ、予想を上回る2カ月連続の引き下げとなった。だが戦争はサウジアラビアにとって単純な損失ではなかった。リヤドは約日量400万バレルを東西(ペトロライン)パイプライン経由でヤンブーへ迂回させ、急騰時に売却し、ある試算ではピーク時の週間石油収入は戦前水準を約10%上回った。ホルムズが再開しOPECプラスが減産を巻き戻す中、価格下落はいま、記録的な財政赤字の後に王国が必要とする損益分岐点を圧迫している。
数字で見る
- 約20%、2026年の戦時ピークからの原油下落幅。
- 約77ドル、6月17日の覚書後のブレント、3カ月ぶりの安値。
- 6ドル、アラムコの7月アジア向けアラブライト引き下げ幅、オマーン/ドバイ比プラス9.50ドルへ。
- 約日量400万バレル、閉鎖中にリヤドがペトロライン経由でヤンブーへ迂回させた原油。
なぜ重要か
第1四半期にサウジの輸出量を押しつぶしたのと同じチョークポイントが、価格面ではパイプライン迂回による利益をもたらした。再開はその両方を反転させ、量は戻るが価格は下がる。Mohammed Bin Salmanにとって停戦は複合的な決着だ。バレルは再び流れるが、ビジョン2030を支えた1バレル当たりの収入は目減りする。
今後の注目点
- ホルムズの往来とOPECプラスの供給が正常化する中で、ブレントがどこに落ち着くか。
- サウジの市場戦略を読む手がかりとしてのアラムコの8月販売価格。
- 拡大した王国の赤字に対する原油価格の損益分岐点。