イスラエル産ガスの減少で、エジプトは11億ドル規模の緊急LNG調達に追われる
タマル・レビアタン両ガス田の保守で戦争による供給停止に加えて日量約2億5000万立方フィートが減少。カイロは夏を通じてガス依存の電力網を維持するためLNG調達を前倒しする
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要約
エジプトのイスラエル産ガス輸入は6月初旬に日量約2億5000万立方フィート減少した。 2月末の戦争による供給停止に加え、タマル・レビアタン両ガス田の「定期保守」が原因とされる。 国営ガス会社EGASは6月分として約300万m³のLNGを前倒しし、契約量の60%を1週間に集中させた。 費用は11億ドル近くで、石油省が負担した。不足は構造的だ。国内生産は日量約40億立方フィートに対し、 消費は日量64億立方フィートを超え、夏の冷房需要でさらに広がり、4隻のFSRU(浮体式貯蔵再ガス化設備) による再ガス化で補われている。月間のエネルギー輸入額は5億6000万ドルから16億5000万ドルに急増したと 報じられ、外貨準備を圧迫している。エジプトの電力部門はおよそ82%がガスに依存する。この調達は シシ大統領が取引材料にする外交の厳しい現実であり、中央銀行が闘う インフレを助長している。
数字で見る
- 日量約2億5000万立方フィート、6月初旬のイスラエル産ガス輸入の減少幅(油田保守)。
- 約11億ドル、前倒しした6月分LNGの費用。契約の60%を1週間に集中。
- 日量約24億立方フィート、構造的な差(生産約40億に対し消費64億立方フィート超)。
- 5億6000万ドル → 16億5000万ドル、月間エネルギー輸入額の急増(報道ベース)。
- 約82%、ガスに依存するエジプトの発電の割合。
なぜ重要か
エジプトの電力網は、自国で生産も安定輸入もますます難しくなるガスで動いており、LNGを買い急ぐことで IMFプログラムが立て直そうとしている外貨が流出する。イスラエル産ガスへの依存は保守スケジュールを 安全保障上の弱点に変え、夏の需要ピークのたびに同じ高コストの選択を迫る。
注目点
- 保守後にイスラエルの供給が回復するのか、それとも制約が続くのか。
- エネルギー輸入額が外貨準備とポンドに与える重し。
- 供給削減が深まった場合の需要側対策(閉店時間の前倒し、照明の削減)。