まとめ
2026年6月9日、Ursula Von Der Leyenはロシアへの第21次制裁パッケージを提案した。エネルギー、金融サービス・暗号資産、貿易を対象とし、初めて漁業も加えた。シャドーフリート船30隻を追加して制裁対象総数を660隻超とし、初めてシャドーフリートに給油・整備サービスを提供する船も標的とする。ロシアの2港・4空港への取引禁止、LNGタンカーの売却・転売規制の強化、ホルムズ海峡情勢による市場混乱がロシア石油収入を押し上げることを防ぐロシア石油上限価格調整凍結も盛り込む。発効にはEU全加盟国の全会一致が必要で、毎回の拒否権リスクは変わらず、英国、制裁対象タンカーに乗船しシャドーフリート27隻を追加指定執行の取り組みを補完する。
数字で見る
- 21、2022年以降の制裁パッケージ数
- +30、追加されたシャドーフリート船、合計660隻超
- 2港+4空港、取引禁止の対象
- 1、阻止に必要な加盟国の拒否票数(全会一致が必要)
なぜ重要か
貨物だけでなく、タンカー、バンカリング、港口といった物流全体を締め付け、ロシアの石油輸出回避の余地を狭める。上限価格凍結は湾岸原油高騰が開いた抜け穴をふさぐ。ただし全会一致原則により、一つの加盟国が内容を骨抜きにしたり棚上げにしたりできる。
今後の注目点
- 27加盟国すべてが承認するか、その代償として何を除外するか
- 新たにリスト掲載されたバンカリング船への執行状況
- 湾岸油価が動く中で石油上限価格凍結が維持されるかどうか